概要
フォース橋は、スコットランドのフォール湾を横断する鉄道橋である。現在は隣接して吊橋方式のフォース道路橋がかけられていることから、この橋はフォース鉄道橋とも呼ばれる。この鉄道橋は、1890年に開通したとき、世界最長のものであった。現在でも世界で2番めに大きいカンチレバートラス橋であり、毎日200便以上の列車がこの端を行き来している。フォース橋着工より以前、1877年に開通したダンディのテイ橋が、その2年後に強風に煽られ崩落、75人の死者を出したことから、フォース鉄道橋は設計を見直され、現在の姿で竣工した。カンチレバートラス橋の強度を確かめる実験では、日本土木史の父と呼ばれる渡邊嘉一が参加しており、その時の様子は現在の20ポンドスコットランド紙幣にも小さく刻まれている。基本情報
遺産種別/登録基準
文化遺産/(i),(iv)
登録遺産位置
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国
スコットランド エディンバラ
北緯56度0分 西経3度23分
スコットランド エディンバラ
北緯56度0分 西経3度23分
登録遺産面積
資産 7.5ha
登録年月
2015年
登録基準の具体的内容
(i)
直線的で飾り気のない重厚な外観といった機能的な構成要素に由来する特色的な工業的な美しさのため、フォース橋は人類の創造的才能の傑作である。
(iv)
フォース橋は鉄道が陸路の長距離移動で主役となった期間における架橋技術の進化の中で並外れて印象的なマイルストーンであり、それは、革新的なコンセプトや、軟鋼の使用、またその巨大さによるものである。
ギャラリー
ダルメニー駅
ダルメニー駅はフォース橋への最寄り駅である。隣のノースクイーンズフェリー駅との間にフォース橋がかかる。フォース橋はその姿から、鋼の恐竜とも言われる。
フォース鉄道橋
全長2.5キロのこの橋の建設は作業員4500人で工期に8年を要する大工事となった。橋の建設により、それまで湾を大きく迂回するしかなかった鉄道は、対岸まで直線的に移動できるようになった。風速30メートルの強風に耐えるため、カンチレバー方式で建設された。
通過する列車
竣工から130年弱がたった現在でも、現役の橋として使用されている。
ノースクイーンズフェリー駅
ダルメニー駅からみて湾の対岸にあるこのノースクイーンズフェリー駅には、フォース橋などが描かれたモザイク画が飾られている。
ノースクイーンズフェリーの街並み
フォース橋のたもとにあるノースクイーンズフェリーの街は、その名の通り、以前ここにはフェリーの発着場があった。
フォース道路橋
フォース道路橋は新しく、1964年に竣工した。フォース鉄道橋の竣工から半世紀余り、架橋技術が大きく進歩したことを見て取ることができる。
エディンバラ市街より
エディンバラにあるカールトンヒルから市街地をフォース湾方面に向かって眺めると、フォース鉄道橋を望むことができる。