概要
スオメンリンナの要塞群は、フィンランドがスウェーデン領であった1772年に完成したヘルシンキ港の沖合約1kmにある海上要塞である。北のジブラルタルとも呼ばれた軍事施設であるスオメンリンナは起伏のある地形を持つ6つの無人島に建設された変則的な形状の星型要塞である。1808年にロシアがフィンランドを占領し、要塞は陥落しその後はロシアの駐屯地となり、クリミア戦争では長時間の砲撃を受け城壁や兵舎が破壊された。その後ロシアによって要塞は補強され、1920年にフィンランドが独立して以降は軍事目的での使用は廃止され現在は800人のヘルシンキ市民が住む居住区となっている。基本情報
遺産種別/登録基準
文化遺産/(iv)
登録遺産位置
フィンランド共和国ウーシマー県
北緯60度8分 東経24度59分
北緯60度8分 東経24度59分
登録遺産面積
資産 210ha
緩衝地域 2,641ha
緩衝地域 2,641ha
登録年月
1991年
登録基準の具体的内容
(iv)
軍事建築の歴史において、スオメンリンナの要塞は17，18世紀の一般的な要塞主義、とりわけ築城制度、それに加え個性的な特徴を示す顕著な例である。
ギャラリー
クスターンミエッカ
星型要塞上に並んでいる大砲はロシアによって19世紀になってから構築された海上防衛線。
キングスゲート
要塞の式典用の門として1574年に建設された。1752年にスウェーデン王アドルフ・フレドリクが建設作業の視察に訪れた際に王を乗せた船が錨を下ろした場所に建設されたためこのような名前がついている。
スオメンリンナ教会
現在は福音ルター派の協会となっているスオメンリンナ教会は1854年にロシアの駐屯部隊のための正教会の教会として建設された。
エーレンスヴァルドの墓
要塞を築いたアウグスティン・エーレンスヴァルドの墓。1760年代に要塞の中央広場として完成したコートヤードに立地する。
乾ドック
現在も使用されている乾ドックの中では世界最古のものの一つ。現在でも、古い木造船の修理に使用されている。
潜水艦ヴェシッコ
ヴェシッコは1930年代にフィンランド建造され、第二次大戦中に活躍した潜水艦。
参考文献
週刊世界遺産 No.74 バルト三国の歴史地区 / 海上要塞スオメンリンナ 日本語パンフレット / UNESCO公式ホームページ
Joint photographer: three-stick-long