ワルシャワ歴史地区

概要

ワルシャワは1611年にクラクフより遷都されポーランド王国の首都となった。第二次大戦中、ナチス・ドイツによって徹底的に破壊され、旧市街の85%以上が瓦礫と化した。ワルシャワ歴史地区は第二次大戦後、18世紀後半とほぼ同様の姿に復元された。そのときに役立てられたのが、ワルシャワ工科大学の建築学科のヤン・ザフファトビッチ教授とその学生が記録した35000点もの旧市街の図面であり、また、宮廷画家のベルナルド・べロットによる風景画である。これら建物の断面図まで残された図面と、写実に徹した画風の風景画によって、「壁のひび一本まで忠実に」の言葉の下、市民の手によって復元されたのである。なお、復元の際には、オリジナルの資材が残っていればそれを活用したため、生々しい銃弾の跡の残る建物も現存する。ワルシャワ歴史地区の復興はポーランド国民、ワルシャワ市民の不屈の精神を示している。

基本情報