概要
石見銀山遺跡とその文化的景観の一部として登録されている銀鉱山跡と鉱山町を構成する資産の一つである羅漢寺五百羅漢は、大森地区の南端、銀山川の支流沿いに位置する信仰関連遺跡である。岩盤の斜面に3箇所の石窟があり、中央に石像釈迦三尊仏、左右に250体ずつの石像羅漢坐像が安置されている。基本情報
遺産種別
文化遺産/石見銀山遺跡とその文化的景観/銀鉱山跡と鉱山町
登録遺産位置
島根県大田市
北緯35度06分 東経132度26分
北緯35度06分 東経132度26分
登録遺産面積
資産 1.26ha
ギャラリー
羅漢寺
鉱山町には宗派の違う寺がたくさんある。それは過酷な作業で命を落とした人々のため、全国から集められた鉱山夫たちの信仰する宗派に合わせて葬儀を行うためだったといわれる。羅漢寺はそのような寺の一つ。
真言宗
羅漢寺は1766年に創建された高野山真言宗の寺院。
五百羅漢
羅漢寺から道を挟んだ向かいに五百羅漢が立地する。
石橋
銀山川の支流と石橋。
釈迦三尊仏
中央が釈迦如来で、向かって右が文殊菩薩、左が普賢菩薩。
弔いの念
五百羅漢は、18世紀に全国から寄付を募って作られた。銀山の坑道を思わす石窟に安置された一つ一つの像にはつらい仕事で短い命を終えた金堀達への弔いの念が込められている。
供養と安全祈願
銀山鉱夫の仕事は、24時間体勢で粉塵にぬれる過酷な作業のため、「30にして無病の者なし」と言われた。石窟の中の羅漢像は、そんな銀山鉱夫の供養と安全を願い安置されている。鉱山に関わり命を落とした最愛の人たちの面影に会うために人々はここを訪れたといわれるほどその姿形は個性的。
大宝筐印塔
3つの石窟、3基の石橋や1基のこの祈念塔を含め、石見銀山の高度な石膏技術を表した貴重な石像作品群である。