3DSでここまでやるか、という表現。確かに、過去据置機で発売されてきた作品に比べると、流石に初代はともかくDX以降のシリーズよりも画質は下がる。しかしながら、3D立体視表現ありで60fps、それでいてジオメトリ量の少なさを感じさせないところが素晴らしい。実は、3DSは解像度が低いので、どうやら各キャラクターにLODを実装しているらしい。3DSに搭載されているPICA200は、たしかにLODに対応していた気がするが、本当に実装してしまったソフトは他に見たことがない。しかしこれにより、接写での高品質モデルを実現しながら、安定した高フレームレートを実現している。勿論その代償として、影表現はまさかの丸影であって、投射テクスチャマッピングですらない。これも接写時くらいは切り替えてほしかったものだが、基本的に高度なシェーダは用いられていない。その代わり、少しやり過ぎな感すらあるテクスチャの描き込みで、品位を下げないようにしているように見える。ところで、このゲームではキャラクターがどうしても細かくなってしまうが、据置ハードとは比べ物にならないほど解像度の低い3DSでストレス無くプレイできるように縁取り表現を追加したことは評価したい。個人的には邪魔なので消してしまったが、これにより3DSのような低解像度の画面でもストレスなくスマブラをプレイできるようになっている。

前作に引き続き豪華作曲陣による編曲の数々。相変わらず曲数は多いし、原曲も多い。ただし、なぜか2分制限がかかっていて、原曲でも2分でループするようになってしまっている。前作ではこのような制限は無かったはずなので、非常に残念な気持ちだ。

基本的なゲームシステムはWii版から変わっておらず、かなりマンネリズムを感じる。恐らく3DSのスペックが原因だろうが、変身キャラがなくなり、ゲームの幅は狭まった印象。一人用モードとしてはいよいよアドベンチャーがなくなり、遊びの幅も狭まった。Wii版同様、キャラ選が今ひとつ謎なのも残念だ。

キャラクターは多いので、それなりにボリュームが有るといえばあるが、同じことの繰り返しで、真にボリュームといえるか謎。よくわからない色々な遊びを組み込んでいるが、いずれもかさ増し程度。

シナリオはなし。

3D感はほどほどだが、おかげでクロストークはまず無い。また縁取りがあるにも関わらず3D感が破綻することもない。横スクロール系のゲームと同じ特性があるから、メリットとデメリットはだいたい共通している。3Dである意味は、まずない。