前作Forza Motorsport 6 Apexから大きく進化はしていない。平均的に精度の良いモデリングは、コース上のオブジェクトの品質が比較的低いGTシリーズとは対照的で、ジオメトリレベルではほとんど文句のつけようがない。もちろんテッセレーションを使っていないなど、主に接写時に競合たるGTシリーズに劣る部分がないわけではないが、レース中は気になる要素ではない。それよりも気になるのが、全体的に彩度とコントラストの低いグラフィックである。特にプラハコースは顕著で全体的にのっぺりとしてしまっている。事実上の同世代のライバルタイトルであるGTSportsで導入された木々の葉にかかるシャドウも存在しないので、一層低コントラストな映像となってしまっている。なお、私の環境だけかもしれないが、先代のPCであっても現行のPCであってもフラッグなどのモーションが乱れる場面が多々ありかなり気になった。2023年に発売されるらしい久しぶりの次回作ではレイトレーシングを含め大幅に改善していることを期待したい。

レース中はBGMをOFFにしてプレイしているので音楽については評価しない。エンジン音やスキール音などのSEも、グラフィック同様特に前作から進化していないように思えるが、一般論としてそれなりに高評価を得ているようなので中間点としている。

この手のゲームは、車のセッティングがかなり細かくできるが、前作同様本作もご多分に漏れず詳細までセッティングできる。一方で、そのような細かいセッティングをしなくても十分にレースで勝負できるので、車に詳しくなくても楽しめる、実にユーザーフレンドリーなソフトだ。一方で、相変わらずスタート時に集団で走っているときのAIは比較的攻撃的で、車体に傷が付きやすい。ゲームなのでどうということはないのだが、やはり気になる。かと言ってぶつかりにくいようにGTシリーズのように最初から間隔を開けて走るのはあまりにもアーケードゲーム的すぎるので塩梅が難しいのかもしれない。それと、私のPCは快適にゲームをプレイできるようにCPU、GPU、そしてSSDとかなりの部分でハイパフォーマンスを発揮できる厚生としているのだが、それにもかかわらず、自動車選択時の画面はフレームレートの低下が著しい。ゲーム機は、一般的なゲーミングPCとは異なりUMAであることから、そのあたりがもしかすると表示のトロさに影響しているのかもしれないが、アップデートを経ても一向に改善さなかったのが残念。

リアル系レースゲームとしてコース及びレイアウト、それに収録車種の数は決して多い方ではないがある程度満足できるといえる。私の好物のシティコースに、実在サーキット、オリジナルサーキット。できればオフロードのレイアウトがいくつか、それに日本のコースがもう少しあると嬉しかった。富士スピードウェイやツインリンクもてぎなど、FMシリーズに採用するにふさわしい有名なサーキットは日本にはまだたくさんあるはず。

レースゲームなのでシナリオはない。