PS3史上最高の誇大広告ゲーとしておなじみのAFRIKA。PS3お目見えの際のデモとして初公開されたPVからものすごくグラフィックの質が低下したゲームとして一部の人たちには有名。そういうことで、あまりに落差が激しいためか、たらグラフィックの質が悪いように感じられた。まず根本的にフレームレートが低いし、それ以上に問題なのは人物の顔面がありえないことになっているということだ。いうなれば、蝋人形。PS3の光源処理性能ではうまく立体感が出せなかったのか、どことなく平面的で（モデルの顔面が平面というわけではない）顔面はテクスチャべた貼りでテカテカでどうも生気を感じることが出来ない。動きがロボットだし、髪の毛一本がそよぐだけでも面白かったのだが、それもない。画面上にたくさんのオブジェクトを出さなければならないためか、一つ一つのオブジェクトが雑。PS2でも本作と同じモデルで、解像度と動物の数とマップの広さに目を瞑ればそれなりの作品が出来そうな印象さえ受ける。オブジェクトが雑な割りに、大して数も多くなく（動物がやたら多いシーンはなぜか近づけない=プリレンダORスプライト疑惑）ついでに遠景の動物の動きのフレームレートがなぜか5〜15FPSくらいという悲劇。空気感もまるでない。アフリカっぽい熱気はなんとなく伝わってくるものの、自然なのになぜか砂っぽさがない。極めつけは川上を移動するワニなどの動物の体が、水面以下数センチで完全にカット!されているのである。なんとも旧世代な表現この上極まりない。PS2でもまともなゲームならありえない演出だ。やたらセルフシャドウを使ってみたかったのか、木などにセルフシャドウを応用しているが、例によって性能不足でジャギーがめだつ影。まったくなめらかでない。それゆえにさらに画がチープになっているというこれまた悲劇。それにもかかわらず動物そのものにセルフシャドウを応用していないために全体的に軽い画になってしまっている。これがPS3=第7世代最高画質、最強性能をうたった結果といえるかもしれない。

筆者の好みにぴったりだった。クラシック。それでいてアフリカらしい壮大なメロディ。そして美しい音色。惜しまれるは、このゲームではほとんどこのBGMが鳴らないということだ。普段はノーBGMでアフリカを楽しむことになる。まあ、そちらのほうがアフリカの空気を楽しめるのかもしれないが。

FEBよろしく、最後は未知の動物登場。性能と関係のないこの項目でWiiのFEBと差をつけるというわけにもいかないのでFEB同様とした。

これまた微妙。微妙な広さのマップで車で移動できない距離でもないのだが、微妙に広いので車で移動するにも微妙に億劫になるような距離であるにもかかわらず、拠点は一箇所でそこ以外を拠点にすることは出来ない。また、写真の評価には距離という項目があるのだが、望遠レンズで画面いっぱいに動物を写したところで、距離が遠いと悪い結果となる。そんなのライオンや象のような猛獣に近づいて襲われたらどうするんだ、という話なのだが……

このゲームは根本的にはバイオのような生きるか死ぬかのアドベンチャーではないので入り込みやすいことは入り込みやすい。ただ、最初のカメラがあまりにもチープなのが残念。

この手のゲームは人を選ぶが、普通にクリアできるような人であれば、莫大な数の（とはいっても70種類だが）動物の写真を撮って楽しむことが十分出来る。WiiのFEBでも本物と見まがうような写真が撮れたのと同じように、このゲームでもやはり本物と見紛うような写真を撮ることももちろん可能だ。