いわずと知れた日本屈指のドライブシミュレーションの最新作（この記事ではSPECIII）。グラフィックについてはPS3屈指の綺麗さを誇る。ただ、PS3の性能の限界のためかあちこちにぼろが出ているのが残念だ。車そのものの精度は非常に高いものの、それゆえに複数台前に走っているとコマ落ちしたり、車にかなりのポリゴン数を費やしているのか、コース上の建物などのオブジェクトにかなり雑な面が見られる。また、車そのものに落ちるセルフシャドウも性能ゆえにガタガタとなっている面や、道に落ちる車の陰が一世代前の技術であった点が残念だ。もちろん、何も考えずに画を見れば、十二分に綺麗なのだが、今回はPS3の能力を考えずに車ゲーの「主人公」である車に全力をつぎ込んでしまったがために他の部分でぼろが生じてしまっているというちぐはぐな状態に対して減点をした。

完全に個人の趣味なのだが、筆者は根本的にやたらテンポの速い外語の曲は好きではないのだ。とはいえ、クラシックを流すのはそういう空気じゃないし、日本語だと盛り上がりに欠けるというか、根本的にジャスラックの存在があるために仕方のないことなのだが。

このゲームにストーリーは存在しないため評価しない。

先ほどのコマ落ちの件も含め、その他オンラインでは完全にテレポートゲーになっているということ、また本編に関してもPS3の性能をフルに生かしたリアルな物理演算で玉突きをしているような感じで敵車を弾き飛ばしてトップに躍り出るといった感があり、ドライブシムとしての出来はあまりよくない。

最初の方に手に入れることが出来る車で最初のランクのイベントに登場する車のひとつ上のランクの車が購入できるので、力にものを言わせれば十分にクリアでき、賞金を獲得することが出来る。このような仕様のため、初心者でも簡単にグランツーリスモ5Pをプレイすることが出来る。また、中盤以降、詰まったならクリア済みのイベントを何度か攻略することでチートクラスの車も購入することが出来るので、基本的に初心者でもそれなりに楽しめるようになっている。

そもそもがプロローグなので、コースも収録車数も少ないし、それゆえにイベントの数も限られているので残念ながらやりこみ度は大して高くないといえる。