原則として一本道であるがその割りにグラフィックはよくない。これが従来の8のように自由に歩けるマップであるとすれば十分に及第点のレベルなのだが。ひとつしかない町の中は自由に歩けるがその分グラフィックの質はよくない。制作期間が短いのかオブジェクトに重力感がない。端的に言うと軽い。張りぼてのような感じさえ受ける。テクスチャが雑。操作性が悪いので酔いやすい。あちこちでマップ切り替えのロードをはさむのも減点対象だ。

ドラゴンクエストシリーズのあの名高き音楽を長年作曲してきた椙山氏は事実上本作品には関与していない。4曲だけ椙山氏の音楽があるがどれも使いまわしだ。後は聞いたこともない作曲家のもので大変残念なものがある。音楽の質自体もWiiにしては安っぽい。おそらく多くの人がPS2版DQ8の方が音がいいというだろう様なものだ。ドラゴンクエストといえばごくわずかな例外を除けばみなタイトル画面で序曲（あるいはロトのテーマ）が流れるがそれもどことなく軽い。同時発音数が少ない。低音がいまいちだという感じを受ける。

ストーリーは王道なものだろう。ただし短い。従来のドラゴンクエストよりさらにストーリーの重要度が低い。どちらかというとアーケードゲームのような感じだ。最終的に魔王を倒すという点では王道なのだが。ストーリーにかかわらず同じ面を何度でもクリアできるという点ではアーケードらしいところがある。

ドラゴンクエストというブランドに騙されてはいけない。そのブランドとは裏腹に出来がよくないゲームだ。評価すべき点が思い浮かばない。せいぜい選択肢がポインタ以外にABボタンで選択できることくらいか。この配慮をしているゲームは思いのほか少ない。悪い点をあげるときりがない。突きの動作が出ない、そもそも切った方向がめちゃくちゃ、リモコンを振っても反応しない。アクションRPGであるにもかかわらずこの仕様には閉口せざるを得ない。ちなみに出てくるモンスターの場所等はいつも同じであるように感じる場所さえある。

持続性はまあこのシステムのせいで大変評価が下がってしまっている。このシステムさえどうにかなっていれば戦闘もスムーズに行き、従来のドラクエと大して難易度の変わらないゲームになっておりクリアもそう難しくはなかったと思われるが。

一応、クリア後には別のさらに強いボスとの対戦も出来るほか、クリア済みのダンジョンでもスコアアタックの要領でプレイでき、ランクにあわせてアイテムも手に入るので、その点については評価したい。