WiiUのタイトルとしては比較的序盤に発売されたタイトルであるが、写実系グラフィックとしては他のWiiU向けゲームの中でも随一。描画解像度は公称で720pであり、たしかにあまり大きくボケた印象もないので、スケーラーで拡張しての720pというわけではなさそうだ。テクスチャの解像度も十分に高いため、ゲームカメラの距離を自由に変えられない本作では粗も見えにくい。シェーダについては、キャラクターが細かいのでセルフシャドウまでは実装していないようだ。恐らく投射テクスチャマッピング技法で造られた影なので、セルフシャドウ系の他の技法と比べても負荷が圧倒的に軽くここまでの安定した表示を実現できているのだろう。スペキュラなどは、流石にシーンが限定されているだけのことはあって、物理ベースでなくても十分物質感のあるものに仕上がっているし、ジオメトリ量なども多く、全体を通して不自然な箇所は見られなかった。水面も中々きれいに見えるが、技術としては恐らく難しいことは何もしておらず、スペキュラをリアルタイムで変化させ、火線を入れ、境界面をやや白くした程度のもの。とはいえあまりこだわりすぎると水中にキャラクターがいるときには見づらくなってしまうので、本作の場合、これくらいの表現が真っ当であろう。大海はなく、基本的には水たまりレベルなので、ジオメトリレベルでの凹凸ももちろんない。

ピクミンらしいゆるいBGMとそこそこリアルよりのBGM。ゲームの雰囲気にマッチしていて、違和感がない。しかし、それは逆に言えば、特に印象に残る名曲もなかったということ。

任天堂のゲームらしい、ユーザに配慮したシステム設計。難易度もさほど高くなく、救済措置も多い。不満点としては操作体系として完成形であるWiiリモコン＋ヌンチャク、いわゆるヌンチャクスタイルがWiiUの標準ではないということ。GamePadなどに比べ直感的に操作できるが、同梱されていないのでヌンチャクスタイルでプレイできなかったユーザも多くいそうな印象。GamePadのメリットと言えば、単体プレイができるとか、地図が表示できるとか、そのレベルであるが、地図は別に他の操作体系を選んでいてもゲームパッドに表示されるので、もちろんそれは有り難いことではあるがGamePadをコントローラとしてのメリットはあまりに薄い。

アクションゲームとしてはまぁまぁ妥当な所だろう。ストーリーモードはさほど長くはないが、ビンゴゲームなど、本編以外にも楽しめる要素はある。マップはさほど広くないので、本編での収集要素は多くないし、ストーリープレイ中にそこそこ集めておけば、もう大体揃ってしまう。

別にこだわりのあるシナリオがあるわけでもなく、あくまでもゲームを進行するための添え物といったくらいで、ぶっちゃけこれと言ってコメントのしようがない。