まず、見てのとおりこのゲームにフォトリアルのグラフィックを求めてはいけない。キャラクターがこけしであることからも十分に伺える。しかし、一言にグラフィックと入ってもフォトリアル指向のグラフィックもあれば、ピクサー的なグラフィックを目指すものもある。今作の場合は後者に近い。キャラクターはたいしたこともないが、ゴルフなどを見てもわかるように、ピクサー的リアルを目指している感じがする。しかし、その方向で行くにしてももうちょっとMiiそのものの質も上げていただきたかった。というここまでのレビューはオリジナルのWii版とほとんど同じ。というか、特にブラッシュアップされた実感もないので、感想もこの時と変わらない。

タイトルメロディーは印象深く、このサウンドといえばWii Sportsと認識できるほど定着した。スポーツの選択画面などでのBGMは、目立ちすぎず、それはまるで環境音のようだ。実際にゲームをプレイしている際には基本的にはBGMはない。動作時のSEは気持ちよく、程よく快感を与えてくれる。

とりあえず、例によってそれぞれのスポーツごとに評価してみるが、今回現段階で筆者が購入済みのテニスとボウリングにしぼって評価したい。
テニス：ジャイロセンサーを適用したことで、Miiのラケットの振りがかなりWiiリモコンとシンクロした。ただしジャイロセンサーにも誤差があるので、頻繁にズレを感じてプレイしづらく感じた。オリジナル版のようにタイミングよく降ればどうにかなるものでもなくなったので、全体的にハードルが上昇してしまった。
ボウリング：実はWii Sportsシリーズでモーションプラスを適用したボウリングは本作が初めてではない。Wii Sports Resortにも収録されているので、本作はまさにそのHD版といったところ。オリジナル版のボウリングのような変な軌道特性もなく、素直に転がってくれるので、Wii Sportsのボウリングは初めてという人でも違和感なくプレイに参加できる名作。

飽きることさえなければ、かなり奥深く楽しめるゲームになっている。全5種のスポーツそれぞれのチャンピオン打破を目指すのもよし、トレーニングでスコアアタックで自分の限界に挑戦してみるのもよいだろう。あるいは一種類だけチャンピオンすら歯が立たないくらい極めまくるのもいいし、全種類コンスタントにプロを目指すのもありだろう。そういうのに疲れたら、ちょっと隠しコマンドをさがしてみる、なんていうのもまた一興。ちなみに、隠しコマンドではたとえばテニスコートが変わったり、ボウリングのボールの色を変更したりすることができる。

このゲームにシナリオは存在しないため評価しない。