概要
古都京都の文化財の一部として登録されている賀茂別雷神社は上賀茂神社の名で広く知られている。賀茂別雷神社は下鴨神社として有名な賀茂御祖神社と同様の沿革を持つ平安京以来の神社である。以前は明治神宮と同様の形式で、21年毎に宮移しを行っていたが、国の重要文化財に指定されて以後は宮移しは行われず、いたんだ箇所の修復のみにとどまっている。神事としては、賀茂の競馬（くらべうま）や、京都三大祭の一であり、平安時代には単に祭の一語で指された賀茂祭（通称葵祭）が知られる。基本情報
遺産種別
文化遺産/古都京都の文化財
登録遺産位置
京都府京都市北区
北緯35度03分 東経135度45分
北緯35度03分 東経135度45分
登録遺産面積
資産 63.8ha
緩衝地域 242.7ha
緩衝地域 242.7ha
ギャラリー
一ノ鳥居
境内入口にある最初の鳥居で、現在の物は大正7年のものだが、一ノ鳥居自体は室町時代からあったとされる。
表参道
表参道及び二ノ鳥居。葵祭の斎王代は一ノ鳥居で腰輿（およよ）を降り、この参道を徒歩で参進する。また、写真左方にある樹は見返りの桐という。見返りの桐や、馬出しの桜、鞭打ちの桜はそれぞれ賀茂競馬の目印となる。
御所の屋
重要文化財であるこの建物は檜皮葺、入母屋造の建築。行幸時の天皇の着到殿である。
楽屋
神仏習合時代の名残を残す建物。明治時代の神仏分離以後は使われなかったが、現在では雅楽の演奏場所として使われる。重要文化財であり、檜皮葺、切妻造の建築。
土屋
檜皮葺、入母屋造の重要文化財。神官の祓戸として使用される。
細殿
土屋と同じ建築方式の重要文化財だが、土屋の方が広く作られている。天皇行幸時には天皇が最初に入られる着到殿であり、葵祭の斎王の着到殿ともなる。
立砂
賀茂別雷神社の御神体である神山（こうやま）を模したものとされる。
楼門
二層の建築に見えるが、2階に上がるための階段がないため二層目には登れない。檜皮葺、入母屋造の重要文化財建築。
本殿
本殿、および権殿はともに国宝。祭神は賀茂別雷命。狛犬は狩野派の絵師による画。以前は伊勢神宮と同様の形式で式年遷宮を行っていたが国宝指定ののちは傷んだ箇所の修理をするにとどまる。伊勢神宮では新たな社殿が別の場所に建て替えられるが賀茂別雷神社では本殿建て替えの際には権殿に仮遷宮する。権殿は基本的には本殿と全く同様の形式である。
片岡橋
檜皮葺の唐破風を持つ珍しい屋形橋。なお隣の玉橋は神事にのみ使われ、一般の通行はできない。
社家の町並み
（賀茂別雷神社における）社家の町並み