概要
古都京都の文化財の一部として登録されている仁和寺は宇多天皇により888年に完成した寺院である。応仁の乱により焼失したため、御所より建物を移築することで再興した。住職は宇多天皇以後代々出家して僧になった皇族が後を継いだため、御室または御室御所と呼ばれる。桜の名所であり、御室桜は有名。また、吉田兼好の徒然草に登場する寺としても有名。基本情報
遺産種別
文化遺産/古都京都の文化財
登録遺産位置
京都府京都市右京区
北緯35度1分 東経135度42分
北緯35度1分 東経135度42分
登録遺産面積
資産 9.2ha
緩衝地域 431.3ha
緩衝地域 431.3ha
ギャラリー
仁王門（外側）
柱間5間で、左右各1間に仁王を安置する。平安時代の伝統を引き継ぐ和様であるが、造営されたのは江戸時代前期。
仁王門（境内側）
仁王門が和様であるのは、法親王による法灯を灯し続けた問責寺院らしさを意図したと考えられる。
中門
金堂・五重塔・観音堂が建つ伽藍中心部の入り口にあたる門。朱色の外観をしている。寺院建築は本来は鮮やかな朱色であり、一般的に思い出されるくすんだ木材そのものの色というものは建立から時間が経ったがために塗装が落ちているためである。
金堂
仁和寺の中心堂宇。問責寺院らしく、板扉の飾金具は菊花を表す。江戸時代初期の建築であるが桃山時代風の意匠表現が顕著に見られる。
経蔵
顕証上人が経典・密教儀軌などの膨大な量の聖教類、及び古記録等の整理保管を目的として造営。建物外観は他の堂宇と異なり、禅宗式で統一されている。
観音堂
現在の建物は江戸時代に再建されたものであるが、平安時代の意匠を用いたのか、板扉が特徴的。ただし、近世寺院建物のため、たちの高い外観となっている。
鐘楼
他の建物と同じように江戸時代前期の再建とされる。建造当初を思わせる中門以上に鮮やかな朱色が特徴。
御影堂
弘法大師空海の像を祀る。檜皮葺、宝形造の堂宇。他の堂宇と同じように江戸時代前期の再建。
五重塔
東寺五重塔と同様、上層と下層の幅が余り差の無い江戸時代の層塔の姿形をしている。高さは32.7mあり、寛永14年の建立とされるが、21年前後に完成をみたようだ。この五重塔は近世層塔の特徴を持つ一方で、細部においては古代の和様建築を踏襲している。
九所明神本殿
仁和寺の初代別当幽仙が勧請した伽藍鎮守であり、現在の建物は他の堂宇と同時期に再建された。近年修復が行われたため、鮮やかな朱色を見ることが出来る。
九所明神拝殿
九所明神拝殿。