龍安寺

1680年に再建された切妻造の藥医門。

元は寺の台所であったが、現在は拝観者の玄関口となっている。

方丈から見た世界的に有名な石庭。先述の通り、作庭時期すら定かではないが、1説によると1619年以降、遠州による作庭らしい。天龍寺の石庭と異なり、庭に多数の石が配置されており、天龍寺石庭の項にある「古来の仏教における庭が鑑賞を目的としたものではなく、仏教儀式のための広場として設けられていたため。」に反する。当時の法律により制限されていたが、1619年に庭に石などを配置しても問題がなくなったため。狭い庭であるが、元は借景を用いた庭であった。現在では外の木が多くなったため周囲から孤立した庭のように見える。

石庭の塀の高さは奥の方が低く、一つ上の写真の位置から見ると庭が本来よりも広く見える3次元遠近法を用いている。実際には地面も遠近法に従って高さが変わっている。遠近法は西洋文化のものであり、特に3次元遠近法は難しく、室町時代にはまだ2次元の遠近法も確立していなかったので、一般的に言われる室町時代の作庭ではつじつまが合わない。庭の大きさや、石の配置にも黄金比が見られることより、この庭は西洋文化が色濃く見られる。