宇治上神社
Ujigami-jinja
概要
古都京都の文化財の一部として登録されている平等院は、元は藤原道長の別荘であったものを、子の頼道が1052年、寺院に改めたものである。その翌年に有名な鳳凰堂が建てられ、その後も頼道の一族により多宝塔、五大堂、不動堂などが建立された。宇治は、平等院の側を彼岸、宇治川を挟んで仏徳山や朝日山のある対岸を此岸と見立てられたことから、平等院からはこの世に極楽浄土を現出させようとした意図が見られる。なお、現在は天台寺門宗の最勝院と浄土宗の浄土院が共同で管理する単立寺院となっている。
基本情報
遺産種別
文化遺産/古都京都の文化財
登録遺産位置
京都府宇治市
北緯34度53分 東経135度48分
登録遺産面積
資産 0.3ha
緩衝地域 203.8ha
ギャラリー
宇治上神社鳥居
明治維新までは宇治神社と2社1体であったが、維新後上下2社に分かれ、上社を宇治上神社、下社を宇治神社とした。
入口
宇治上神社入口。
拝殿
境内の中央に建つ建物で、桁行6間、梁間3間の単層、檜皮葺、切妻造り建築。建具は蔀戸とし、全体に住宅風のつくりとなっている。神社建築ではあるが、鎌倉時代の住宅建築の姿を偲ぶ貴重な建築物であり、国宝。
立砂
拝殿正面には賀茂別雷神社(上加茂神社)のような立砂がある。清めの砂と呼ばれている。
本殿
拝殿の後方、石段の上に位置する国宝。鎌倉時代に、3つの社殿を包むように覆屋がかけられた。内部には、仁徳天皇を祀る右殿、応神天皇を祀る中殿、莵道稚郎子(うじのわきいらつこ)を祀る左殿がある。年輪年代測定の結果、本殿には1060年伐採の檜材が使われており、現存する日本最古の神社建築と判明した。また、中殿だけが異様に小さいのには様々な説があるが、いずれも定かではない。
桐原水
拝殿向かって左にある湧き水。宇治七名水のひとつに数えられる名水で、現在も石段を降りた自然石の間から天然の水が湧き出ている。飲用に使う場合は煮沸が必要。
春日神社
祭神は武甕槌命(たけみかづちのみこと)と天児屋根命(あめのこやねのみこと)。本殿南側に建つ摂社。武甕槌命は藤原氏の守護神であり、天児屋根命は藤原氏の祖神とされる。藤原頼道が平等院を建立するにあたって宇治神社をその鎮守としたため同社境内に勧請されたもの。
住吉社
祭神は上筒男命(うわづつのおのみこと)と底筒男命(そこづるのおのみこと)。海の神、公開安全の守護神とされる。香椎社(右)。祭神は神功皇后(じんぐうこうごう)と武内宿禰(たけしうちのすくね)。武内宿禰は伝説的な人物で、成務〜仁徳までの5代の天皇に使えたとされる。神功皇后は仲哀天皇の皇后であり、応神天皇をはらんだまま朝鮮半島に出兵し、三韓征伐をなしたと伝えられる。
武本稲荷社
祭神は倉稲魂命(うがみたまのみこと)。本殿北側の高台に立地する末社。倉稲魂命は伏見稲荷大社の祭神で穀物を司る女神。末社ながら本社とは別の鳥居・参道が設けられている。
厳島社
祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。水の神として信仰を集められており、福岡県の宗像大社や、宮島の厳島神社の祭神。
参考文献
京都・世界遺産手帳 平等院 宇治上神社 / 世界遺産検定公式基礎ガイド2009 / 世界遺産シリーズ 日本の世界遺産 ―西日本編― / 世界遺産ふしぎ探検大図鑑
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